ピアニスト「吉田イツコ」オフィシャルウェブサイト

イツコより

◎2017年7月12日  シューベルトの600以上もの歌曲の中で、私はAn die Musikを最も愛している。何度聴いても心が温かくなって涙が溢れる。シューベルトが友人ショーバーの詩に作曲したものだ。人に嫌われることの多かったショーバーを、シューベルトは心から敬愛していたという。もしも彼がこの詩を書かなかったら、この素晴らしい曲も生まれなった。ショーバーとシューベルトに心から感謝しつつ、この詩を私も音楽に捧げます。

An die Musik D547

Du holde Kunst, in wieviel grauen Stunden,
Wo mich des Lebens wilder Kreis umstrickt,
Hast du mein Herz zu warmer Lieb' entzunden,
Hast mich in eine beßre Welt entrückt!

Oft hat ein Seufzer, deiner Harf' entflossen,
Ein süßer, heiliger Akkord von dir
Den Himmel beßrer Zeiten mir erschlossen,
Du holde Kunst, ich danke dir dafür!

           (Franz von Schober)

音楽に

君よ、やさしい芸術よ、どれほど多くの灰色の時も、
過酷な運命が私を弄んだ時も、
君は私の心に暖かい愛を灯し、
より良い世界に私を導いてくれた!

幾たびも君の吐息が、君の竪琴から流れ出て、
甘く、清らかな君の和音が
天国を より良い時間を 私に開示してくれた
君よ、やさしい芸術よ、そのことを私は君に感謝しているよ、ありがとう!

           (フランツ・フォン・ショーバー:詩/吉田伊津子:訳)

⇒ 歌曲「音楽に寄せて」 An die Musik :ブリン・ターフェル(バス・バリトン)とマルコム・マルティヌー(ピアノ)
⇒ 歌曲「さすらい人」 Der Wanderer  :この中のメロディが「さすらい人幻想曲」に使われています。同じくターフェルの歌で。
⇒ 音浴レクチャーコンサート(15) シューベルトを浴びる 

 

 

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◎2016年11月5日  赤道直下のシンガポールから1週間ぶりに帰って来ました。八ヶ岳山麓の標高1,350mの我が家の周りは、短い間に全くの別世界に変わっていました。黄金色です。・・・明日は浜松でディナーコンサート。また新しく体験したことが音に出てくるのでしょうか?

 

◎2016年9月8日 異常気象で被害が多いこの頃ですが、お元気でお過ごしでしょうか? ここ八ヶ岳山麓に住み始めて15年余り、、自然の姿とその移り変わりを日々じっくり観察し、味わってきましたが、最近の気候の変化は驚くほどです。当初は1年中カラリと乾燥していて、夏など晴れマーク続きだったこの辺りも、このところ1日中晴れている日などほとんどありません。今日も雨が降ったり止んだり、霧に包まれたり・・・。でも、こういうお天気は練習にうってつけ。「歩きに出ておいで〜」と森に誘惑されることもないですから。しかも、あの、オーバーホールに出していたピアノが帰ってきたんです!中も外も本当に新品のようになって。やはり楽器がいいと全然違います。ピアノから一時も離れることができないほどの、まさに「恋愛状態」で、夢中になって弾きまくっています。

 

◎2016年7月10日 「ここはイツコさんちのお庭だから 安心して何を食べてもいいのよ」・・・そこにいる鹿のお母さん、もしかしてお子さんにそう教えているんじゃないですよね?・・・鹿の皆さん、今年こそは私のお野菜、食べないで残しておいてね。

◎2016年7月7日  先週末にコンサートを終えて、また静かな生活に戻りました。今年は自然の写真を撮ることはせず、(つまり、発信はせず受信だけして)暮らしていたのですが・・・先日のコンサートの休憩時間にスクリーンに流した森の映像をご覧になったお客様から「ホームページの写真、楽しみにしているのですよ。またぜひ載せてくださいね」 とリクエストをいただきました。
久々の「妖精の森だより」です。・・・いかがですか?

     

◎2016年4月7日 ベーゼンドルファーをオーバーホールに出しました。私のウィーン留学時代からずっとそばにいてくれたピアノです。3ヶ月先には新品同様になって帰ってくるとのことですが、喪失感と期待と不安が入り混じった、複雑な心境です。
この楽器を選ぶにあたっては、工場から出来上がってきたものを1台ずつ、何台も、何週間にもわたって試弾させてもらいました。1台ごとに音色も響き具合も全然違うのです。その度に驚きの声を上げ、胸躍らせました。当時のピアノの音色は、今とは比較にならないほど甘く、深く、色彩も香りも豊かで、前述のように1台ごとに強い個性がありました。そして、演奏家やオーケストラもまたそうでした。価値観は時代によって変わりますが、音に対する価値観もそのようです。今の新しいピアノやピアニストに昔の音色は望めません。平面的な音が満ち溢れる今、あのなつかしい時代の音たちのことを思うと、胸の奥がきゅん・・・と痛みます。

 

◎2016年3月11日 

お元気ですか? こちらは久しぶりに雪が積もりました。見えている世界は再びすべて真っ白に・・・。このところずっとフランス音楽ばかり弾いています。

 

◎2016年  あけましてあめでとうございます。朝起きてカーテンを開けると世界は真っ白!我が家のテラスにはリスが訪れ、うっすら積もった雪の上に可愛い足跡を残します。ささやかなおせちで新年を祝い、下諏訪温泉で朝風呂、諏訪大社へ初詣しました。
今年はどうか世界が平和でありますように。   


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